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落ち葉の頃

村の小さな小学校だった。
狭い校庭を取り囲むように、桜・モミジ・イチョウなどの木が植わっていた。
山々が色づく頃には、校庭にも黄色や赤に色を変えた葉が、舞うようになる。 放課後になると、みんなで落ち葉を掃き集めた。きれいにしても翌日には、また同じように落ちている。そんなことを何日か繰り返すと、校庭の隅には落ち葉の山ができる。
そうなればそこはもう遊び場に変わった。落ち葉の布団の上に寝ころんだり、中にもぐり込んだり、相撲を取って遊んだ。日向の匂いが暖かかった。
学校のすぐ裏にある神社には、大きなケヤキとイチョウの木があった。 風の強い日には、落ち葉が学校にも飛んできた。それはまるで天から降ってくるようだった。
校庭の木々も神社の大木も、落とす葉がなくなる頃には、裏山が白く時雨れ秋は終わった。校庭の落ち葉の山は、いつの間にかなくなっていた。

今では廃校になって、校舎も取り壊され空き地になってしまった。校庭にあった木も切り倒され、もう落ち葉を掃き集めることもなくなった。
それでも神社の空からは、ときおり色づいた葉が飛んでくる。遠いあの日から届けられるように……。

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