ジャクリーヌのポピー
世界中にはいろいろなコレクターがいて、そのコレクターのためにオークションが開かれているようだ。ニューヨークの書簡専門のオークションでは、古今東西の著名人の書簡がオークションされている。
マチスが腰痛の友人へ送った見舞い状は、287,000円。惜しくも封筒がないが、もし封筒が残っていたら50万円の値がつくそうだ。
ジャクリーヌ(ケネディ夫人)のものは、318,000円。
それが種屋に宛てた花の種の注文書だというから、何でも金になるものだ。それも大統領選の真っ只中に出されたというのも、興味深い。さらにその注文の内容が面白い。
「真ん中がオレンジ色で、小さくて黄色い野性のカリフォルニアポピーの種を何袋か送っていただけませんか。25インチの長さで3インチの奥行がある花壇に植えられるだけの量をお願いします。」
アメリカの種屋は、こんな注文にも応じてくれるのだろうか。1960年だからなのか。それともやはり、ジャクリーヌの注文だからか。
選挙戦の最中に、自ら色や量を細かく指定して注文書を書いた彼女の胸中は、どんなものだったのだろう。
果たして、ポピーの種は届いたのだろうか。彼女が注文書の中で「野性のポピーは、寒い東部でも育つでしょうか」と心配しているように、届いたとしても花は咲いたかどうか・・・。
3年後に暗殺事件が起きる。ケネディは、カリフォルニアポピーの花を見ただろうか。
(02.10.09)
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