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響き合える人と
出会うのは
簡単じゃない
だけど こうして
あなたと会えた

それは
不思議な引力
すてきな偶然
いいえもしかしたら
意志の力

   −
そらFILE

千年藤 悠久の平安の空より垂れ下がるが如く (2010.5.20)

平安の昔にこの地に藤を植えた人々は、はるか遠い未来に我々が感嘆と共に見上げることを予想しただろうか。

さいはての街礼文に雪が降る (2010.1.31)

北海道の最北端の島で、大声で叫べば届きそうな位置にサハリンがある。

秋の日はせつなく暮れていく (2009.10.25)

赤く色づき始めた柿の木を見ていると遠い昔の自分や両親が甦って、秋の日は切なく暮れていく。

父への合図 (2009.09.25)

父は今頃「こんな稲を作って!」と怒っているだろう。その傍らで母が、きっととりなしてくれているに違いない。

100歳の新作 (2009.07.10)

自分の年齢を悲観する必要などない。100歳の朝は、遥かかなたで明けるのを待っているのだから。

クラスメイト (2009.06.29)

まさゆきだって、放課後いつも体育館の影で、私を待っていてくれたのだから。

たとえその身は (2005.01.01)

その名前を口にするだけで、いつだって甦る。だから私が名前を呼んだときは、そっと応えてほしい。

あの頃 (2004.04.04)

何年経っても変わらないものは、あるだろうか。変わらないでいられるだろうか。

備前・夕立受山 (2004.03.20)

目の前の海はどんなふうに、夕陽を映すのだろう。 こうやって佇めば、やがて暮れゆく日にとけ込めるだろう。

春には風船蔓の種を (2004.02.27)

春には風船蔓の種を蒔こう。好きだったカサブランカの球根も植えよう。
春はもうすぐ来る。友達が待っていた春が、もうすぐ来る。

隠岐の海 (2004.01.25)

引かれた一本の線は、どこかで途切れる。誰もその時を知る術がないだけ。 隠岐から届いた最後の年賀状は、そう告げているかのように、か細い線で綴られていた。

案山子 (2003.10.15)

元気でいるか 街には慣れたか 友達出来たか 寂しかないか お金はあるか  今度いつ帰る

月の光 (2003.09.26)

頬をかすめる秋の風は、もう冷たかった。それでも心は穏やかだった。 月はいつまでも二人を見ていた。

帰郷 (2003.07.06)

彼は夏が来るたびに、毎年故郷に帰ってきていたのかもしれない。 もうすぐ山や川を駆け回っていた、夏が来る。

タイムカプセルの夢 (2003.03.25)

たとえ叶わなくても、夢を見ていたい。夢が素晴らしいのは、叶うからではなくて、見ているからなのだろう。

飛行機雲(2002.03.16)

君が異国に降り立つ頃には、ボクは南の空に、滲んでいく飛行機雲を眺めるだろう。

また会えるだろう(2002.03.12)

もう一度振り返りたかった。友人の姿を、しっかり刻んでおきたかった。けれど振り返らずに、人混みに紛れた。

夢を入れるハコ (2003.02.12)

ハコの中からあふれ出した光に包まれながら、薄明かりの中で夢を拾い集めた。そしてハコの中に夢を入れた。

梅一輪 (2003.01.23)

今年も梅の木は、春を呼ぶように蕾をつけるだろう。 父のいなくなった離れの部屋に、一輪挿してやろう。

新しい年 (2003.01.01)

今年もたくさんのときめきときらめき、少しばかりの涙。そして変わらぬ思いを。

雪うさぎ (2002.12.11)

丸く盛っただけの雪の塊も、南天の目をつけると、それなりにうさぎに見えた。南天はまるでそのためというように、真っ赤な実をつけた。

ジャクリーヌのポピー(2002.10.09)

果たして、ポピーの種は届いたのだろうか。3年後に暗殺事件が起きる。ケネディは、カリフォルニアポピーの花を見ただろうか。

霧の街を見下ろして(2002.09.13)

そのまま降りていけそうな、不思議な感覚で釧路の街を見下ろしていた。

プリーズ・リクエスト(2002.07.06)

レイ・ブラウンが亡くなった。あれから私は、砕け散った夢を拾い集められただろうか。

空に星があるように(2002.05.08)

彼は、大きな夢を持たなければ超えられない高い崖の上から、飛び越えたのだろうか。大きな夢をなくさなければ、超えられない向こうの世界へ。

手紙(2002.05.01)

彼に何があったのか。彼は何も言わなかった。彼にとって私は一体何だったのか。

(2002.04.06)

君はどうしているだろう。もうサボテンのことなど、忘れてしまっただろうか。ボクの胸がチクリと痛んだ。

 

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