灯ともし頃
季節の変わり目には窓を開けて
夜の匂いを待つ
わたしの好きな灯ともし頃は
寂しいときだろうか
(浅川マキLP「灯ともし頃」から)
季節はなんと移ろいやすいものだろうか。気がつけば、爽やかな初夏も後ろ姿になりかけている。
夜窓を開けても、もう寒くはないし、まだむっとするほど暑くない。その中途半端さが寂しい。
こんな日は、古い音楽でも聴こう。
浅川マキの「灯ともし頃」は、ジャズ喫茶「あけたの店」でレコーディングしている。一回きりの録音、「テイク・ワン・OK」の緊張感がたまらない。
近藤俊則や向井滋春も参加している。まだ今ほど有名でない頃だ。それはちょうど季節の変わり目のようで、なんともいい。
もうすぐ夏が来る。そのつかの間の季節のようで、なんともいい。
灯ともし頃の寂しさがいい。(13.05.14)
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