本当に大切なもの
What is essential is invisible to the eye.
本当に大切なものって、目には見えないんだよね。
(サンテグジュペリ「星の王子さま」から)
6月29日はサンテグジュペリが生まれた日だそうだ。
彼の「星の王子さま」を初めて読んだのは、高校生の時だった。英語の担任の教師から薦められた。薦められたのは、日本語版だったのか英語版だったのか憶えていない。その時のこともほとんど記憶にない。日本語版も英語版も卒業と同時にどこかへいってしまった。
哀しいラストがとても好きだった。もう一カ所とても気に入っている場面があった。
王子さまがきつねと出逢い分かれる場面。地球を旅していたある日、王子さまはきつねに出逢う。二人は友達になるが、やがて別れがくる。
「ああ・・・きっと、おれ、泣いちゃうよ」
「それじゃ、なんにもいいことはないじゃないか」
「いや、ある。麦畑の色があるからね。
これまでは麦畑なんて見たって、なにも思わなかった。でもこれからは金色の麦畑を見ると、きっとあんたを思い出すだろうな。あんたのきらきら光る金色の髪を思い出すだろうな。
そしたら麦畑が素晴らしいものに見えるだろう。麦を吹く風の音も、おれにゃうれしいだろう」
別れ間際にきつねは王子さまに言う。
「What is essential is invisible to the eye.」
(本当に大切なものって、目には見えないんだよね)
目に見えるものだけを追い求めていると、見失うことがある。
本当に何が大切なのか、本当に大切なものは何なのか。
(13.06.29)
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