宮城県でお話したこと

宮城県「IT活用研修会」

平成15年1月17日宮城県仙台市で開催された「宮城県新・伊達なむらづくり推進機構」主催の、「IT活用研修会」に出席しました。

前の年の年12月11日の夕方、1本の電話がかかってきました。
宮城県のインターネット研修会で、話をしてほしいというものでした。
あまりにも突然の、それもまったく予期しないお話に、とても驚きました。まして宮城県といえば、有数の米所です。
私のような小規模な兼業農家に、話すことなどあるだろうかと思いながらも、これもインターネットかもしれないと思いました。
もしインターネットで米を販売していなかったら、宮城県からお電話をいただくことなど、100%なかったと思います。そう思うと、行ってみようと思いました。
それはこれまでインターネットでたくさんの人と出会えたこと、多くの人からいただいた、あたたかい思いや励ましを、少しでも伝えることができればと思ったからです。私がこれまで産直を続けることができた理由、それをお話したいと思いました。

話しながら、これまでネットで出会った人、今まで支えていただいた人、励まし勇気づけて下さった人、会えなくなった人、お亡くなりになった人、変わらず友達でいて下さる人、いろんな人のことが心の中に蘇り、なんだか胸が熱くなりました。素敵な人に巡り会えたことに感謝しました。たくさんの人がいて、たくさんの思いがあって、そして今自分がここにいる。そう思いながら、夢中で喋っていました。
2年前から私のホームページを見ていただいていた阿部さん、私のことを推薦していただいた高野さん、私を呼んでいただいた丸子さん。
私の知らないところでたくさんの人が、出会いを用意していただいていました。あらためてインターネットの、そして出会いの素晴らしさを実感しました。
1月17日という日が、そして仙台の地が、私には忘れられないものとなりました。

「IT活用研修会」での講演

私は兵庫県のほぼ中央にあります、加美町という田舎で、こしひかりとミルキークイーンを作っています。町の面積の89%が山林という、山間部の小規模農家ですから、こちらのような大規模農業にはあまり参考にならなかもしれません。
それでも私のような小規模な農家でも、インターネットで米が売れるということを知っていただけたらと思います。

セールスポイント

インターネットで米を売るためには、まず全国の人に自分のホームページで米を知ってもらう必要があります。どんなにいい米を作っても、それがアピールできなければどうしようもありません。どのように自分の米をアピールするかが、重要なわけです。
では、「宮城の米」というブランド以外に、何をセールスポイントにすればいいでしょうか?まず考えられるのは、米の味。おいしい米ということですね。
インターネットを利用するときに、ヤフーなどの検索エンジンを利用されると思います。私のホームページをキーワード検索で見てもらう場合、「おいしい米」というキーワードがたくさんあります。やはり消費者は、おいしい米を求めておられます。
次に農薬の問題。安全な米ということですね。
一時期ほどではないですが、まだまだ無農薬神話というようなものが根強いようです。また最近は輸入食材から農薬が多量に検出されたり、国内でも品質の表示に虚偽があったりして、品質が重要な問題になってきています。
無農薬とか低農薬という品質も大切だと思います。
それから米の値段。インターネットは安いから売れるかといえば、一概にそうではありませんが、同じものなら高いより安い方がいいですね。値段も重要かもしれません。

では「おいしくて安全な米」ということをホームページに載せれば売れるかといえば、それだけでは売れません。何故かといえば、みんながそういって売っているからです。
「私の米はおいしいです。」「私は農薬を使っていません。」
どのHPにもそういうふうに書かれています。
セールスポイントのはずが、セールスポイントにならないのです。
おいしい米はいっぱいあります。今や低農薬はあたりまえです。安い米もたくさん売られているようです。他と同じことをやっていても、なかなか見てもらえません。
それでは何をセールスポイントにすればいいでしょうか。
私もおいしい米と書いています。でもいくらおいしいと書いても、「魚沼産」というブランドには対抗できません。 無農薬ではないですから、低農薬をアピールしても、あまりインパクトはありません。

「思いを伝える」に続きます。